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県立精神医療センター・県立がんセンターを視察しました

福祉保健医療委員会の副委員長として、県立精神医療センターと県立がんセンターを視察しました。

どちらも埼玉県の医療を支える重要な拠点病院ですが、現場を歩くことで、資料だけでは見えない課題を強く感じました。

■県立精神医療センター

精神科救急、依存症、児童思春期、医療観察法病棟など、民間医療機関では対応が難しい高度で専門的な医療を担っています。

今回、特に強く感じたのは、建物の老朽化だけでなく、構造そのものの狭さです。

平成2年から使われている建物も多く、現在の医療現場の実情に合わなくなっている部分が随所にありました。

例えば、ストレッチャーが十分に通れない廊下や病室の動線。

緊急時に患者さんを安全に移動させる必要があるにもかかわらず、建物の構造上、職員の皆さんが相当な工夫と負担の中で対応されています。

また、外来診察室も不足しており、相談室を診察室に転用しながら何とか対応している状況です。 

本来であれば、患者さんの動線と医師・職員の動線を分け、安全に診療できる環境が必要ですが、現在の構造ではそれが十分に確保できていません。

診察室内で何かあった際に、職員が逃げる動線や助けを呼びやすい構造になっていないことも、大きな課題だと感じました。 

ナースステーションもかなり狭く、精神科救急のように緊張感の高い現場を支えるには、ハード面の限界が非常に大きい状況です。

精神科救急では、激しい興奮状態や自殺の危険が切迫している患者さんを受け入れることもあり、保護室がほぼ埋まっている日もあるとのことでした。

また、児童思春期の精神医療についても、発達障害や自傷・自殺企図など、子どもたちを取り巻く課題が増えていることを実感しました。

医療の質を守るためにも、患者さんの安全を守るためにも、そして職員の皆さんが安心して働ける環境をつくるためにも、建替えを含めた抜本的な対応が必要だと強く感じました。

■県立がんセンター

県立がんセンターでは、緩和ケア病棟、通院治療センター、放射線治療センター、患者サポートセンターなどを視察しました。

がん治療は、手術だけでなく、放射線治療や薬物療法、緩和ケア、就労支援まで含めた総合的な支援へと大きく変化しています。

一方で、高度な医療機器の更新費用は非常に大きな課題です。

放射線治療機器は1台あたり数億円規模で、更新時には長期間機械を止めなければならず、医療提供と経営の両面で難しい判断が求められます。

また、外来で抗がん剤治療を受ける患者さんも多く、通院治療センターは朝から多くの患者さんが利用していました。

外来化が進む中で、患者さんの待ち時間や負担軽減、相談支援体制の強化も重要な課題です。

さらに、がん専門病院だからこそ、糖尿病や心疾患など他の病気を抱えた患者さんへの対応や、地域の総合病院との連携の重要性についてもお話を伺いました。

高度専門病院としての役割を果たしながら、地域医療全体の中でどう患者さんを支えていくか。

これは今後の県立病院にとって非常に大きなテーマだと感じます。

今回の視察を通じて、県立病院は「最後の砦」として、採算だけでは測れない重要な役割を担っていることを改めて実感しました。

老朽化対策、医療機器更新、人材確保、地域連携。

現場の声をしっかり受け止め、県民の命と暮らしを守る医療体制を維持・強化できるよう、議会の立場から取り組んでまいります。